あの瞬間へ

THE FEELING IS THE STORY — 001

なんでもなかった日が、
ずっと残ってる。

帰り際に初めて名前で呼ばれたこと。
夏祭りのあと、捨てられなかった紙の輪。
もう会っていない人の、好きだった曲。
恋の記憶は、だいたいこんなところにある。

今の気持ちから探す ときめきも、切なさも。あとから効いてくる恋の瞬間を集めています。
夕日に染まる海辺を歩く人々、フィルム写真写真の中に、まだ残っている。
霧がかった夜のホームに立つ人と、遠くまで延びる線路23:18 / 最後のホーム

01 / COLLECTION OF FEELINGS

どんな気持ちが、
残ってる?

「何があったか」は忘れているのに、「どんな気持ちだったか」は覚えている。そんな探し方ができるようにしました。

12 個の瞬間

夕暮れの色が残る、電車の停まった日本の駅駅のアナウンス01/1223:18 / ホーム
ときめく秋

帰る時間になってから、話したいことが増える。

電車が来るたび、ふたりとも半歩だけ動く。

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夜の京都、明るいコンビニの前の静かな道路買い物袋02/1222:07 / コンビニ
いとおしい夏

デートの最後に寄ったコンビニだけ、やけに覚えてる。

完璧な店より、レジの前で迷った二人。

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赤い信号の光が浮かぶ、夜の横断歩道角を曲がる前03/1221:46 / 帰り道
切ない冬

さよならを言う前の、やたら長い横断歩道。

信号が赤になった。少し得をしたような、悲しいような。

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ベッドの上に置かれたスマートフォンスマホの通知04/1200:03 / 帰宅後
ときめく春

帰ったあとにも、同じことを思い出していた。

「今日ありがとう」の後ろに、二人しか知らない話がついた。

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夜の車窓についた雨粒と滲む街の灯り同じ曲05/1220:32 / 車内
いとおしい梅雨

好きな曲が、一曲だけ増えた帰り道。

曲の途中で話すのをやめた。嫌な沈黙じゃなかった。

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夕方のホームに傾いたあたたかな光呼び方06/1218:22 / 駅前のベンチ
ときめく春

初めて下の名前で呼ばれた日、返事が遅れた。

ちゃんと聞こえていた。聞こえなかったふりをした。

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ガラスにつく雨粒とぼんやりした街灯雨宿り07/1216:12 / 商店街の軒下
いとおしい梅雨

雨がやむまでの、予定になかった十五分。

傘は一本もなかった。近くの自販機には温かい缶が二本。

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夏祭りの夜に灯る、日本の提灯祭りのあと08/1220:55 / 河川敷
切ない夏

花火が終わった途端、普通の道に戻った。

大きな音が消えると、さっきまで聞こえなかった靴音がする。

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窓辺のテーブルに置かれたカップと菓子、フィルム写真何気ない気づかい09/1214:30 / 喫茶店
いとおしい秋

覚えていてくれたのは、好きなものじゃなくて苦手なもの。

「氷、なしでいいんだよね」だけで、少し言葉に詰まった。

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車窓の向こうを見つめながらヘッドホンで音楽を聴く人ふたりの曲10/1207:41 / 通勤電車
懐かしい冬

もう会っていない人の曲が、突然流れた。

一駅ぶんだけ、昔の車内に戻った。

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午後の光が差し込む喫茶店のテーブル小さなお土産11/1215:19 / 引き出し
懐かしい春

捨てられないのは、物じゃなくて買ったときの会話。

百円くらいのキーホルダーに、二人ぶんの記憶がついている。

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桜の咲く住宅街を自転車で通る人、フィルム写真久しぶりの再会12/1217:05 / 駅の東口
ときめく春

半年ぶりなのに、最初に出たのは「髪切った?」。

聞きたいことはもっとあったのに。

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掲載している場面と会話はすべて創作です。実在の人物や既存作品のエピソードではありません。

ガラスにつく雨粒とぼんやりした街灯雨の匂いで、あの人を思い出す。

02 / THINGS THAT BRING IT BACK

思い出すのは、
だいたい不意打ち。

一曲、ひとつの交差点、何となく開けた引き出し。記憶を呼び戻すきっかけから、エモい瞬間をたどる。

桜の咲く住宅街を自転車で通る人、フィルム写真
EDITOR'S NOTE

「好きだった」より先に、
思い出すものがある。

写真には写っていない、やけにどうでもいい細部。相手が選んだアイスとか、雨がやむのを待った店の軒先とか。そこに後から名前をつけたくなる。その瞬間を一つずつ、集めていく。

たとえば、コンビニに寄った夜

03 / THE EVERYDAY SIDE OF ROMANCE

そんな時間を、
大切にするために。

エモい瞬間を作ろうと頑張りすぎなくてもいい。でも、言葉を選ぶときに役に立つことはある。ここは実用記事の棚。

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